#001 多様性の活かし方

Beyond the Borders ~境界線を超えて~ #001

こんにちは!

株式会社企業変革創造で8月からインターンをさせていただいている武田です。私は、中学までは日本の学校に通っていましたが、高校からアイルランドへ寮生の学校へ留学!そして大学もフランスの社会科学に特化する大学へ入学し、ノルマンディー地方で2年間ほど生活していました。

現在は、交換留学制度の一環として東京大学グローバル教育センターに在籍しています。いわば“逆留学”のような形で、今までのヨーロッパでの経験と比べて日本で学べる新しい視点を楽しんでいます。これから定期的に、Beyond the Borders というコラムの元、海外での学びや生活を通して感じた多様性・価値観・働き方などについて、グローバルな視点から発信していきます!よろしくお願いします。

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さて、今日のテーマは

“多様性の活かし方”についてです。

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多様性とは、人種・性別・年齢・国籍・宗教・価値観など、さまざまな特性を持つ人々が共に存在し、互いの違いを認め合い、尊重し合うことを指します。近年では日系企業でも「D&I(Diversity & Inclusion)」の導入が進み、多様な人材が生み出す“違い”がシナジーとなり、イノベーションや競争力の強化につながるという考え方が広がっています。 しかし実際には、異なる文化や価値観を持つ人々が協働することは、理想ほど簡単ではありません。 私自身、日本・アイルランド・フランスの3か国で過去5年間生活する中で、「異文化共存の難しさ」を何度も痛感してきました。 例えば、大学の社会学の授業では、多様性を意識して異なるバックグラウンドの学生同士でグループを組み、課題に取り組みました。ところが、英語に苦手意識のある学生は積極的に発言できず、議論が噛み合わないこともありました。また多様な意見が出る一方で、まとめるのに時間がかかり、最終的に誰かが妥協してモチベーションが下がってしまう、そんな難しさを何度も経験しました。

そうした経験を通して気づいたのは、「多様性をうまく束ねるリーダーの存在」が成果の分かれ目になるということです。多様性を活かすリーダーの特徴として、一人ひとりの個性と能力を理解し、それぞれの意見を尊重しています。その結果、チーム内に自由に発言できる、お互い尊重する文化が生まれ、協働が円滑になります。こうしたリーダーの多くは、国際的な環境で育ったり、自身がマイノリティとしての経験を持っていたりと、異なる価値観に触れてきた背景があります。多様性を「理解」するだけでなく、「体感」してきた人なのだと思います。

実際に、ハーバード・ビジネス・レビューに掲載されている「多様性をどのようにイノベーションに繋げられるのか」という記事の中で、多様性を2つのタイプに分類しています。その2つのタイプの多様性というのは

  • 先天的多様性(Inherent Diversity):性別、人種、年齢、宗教的背景などの生まれ持った属性
  • 後天的多様性(Acquired Diversity):異文化理解力、世代間感覚、グローバルな視野など、経験を通じて得られる特性

この2つの多様性を兼ね備えたリーダーは、メンバーの自由な意見交換を促進し、市場シェア拡大の可能性が45%高いという研究結果が示されています。

後天的多様性は、オープンマインドな姿勢で、自分とは異なる人の経験、文化を積極的に学ぶことでも磨かれます。多様性が増す環境に柔軟に適応するため、ぜひ後天的多様性を意識してみてください。次回のコラムもお楽しみに!

(執筆者:武田)