#003 苦悩を抱える若者を救うには
Human Capital Insight #003
Human Capital Insightは、150社50万人以上の方が受検された市場価値測定テストのデータをもとに、日本経済新聞などの記事と紐付けして、業種・職種を越えて、企業の人材のビジネス能力をレポートしたものです。
※市場価値測定テスト…市場価値測定テスト(MVA)とは、独自に開発したセブンレイヤーズモデルに基づいて、ビジネスパーソンの保有するコンピュータースキル、リーダーシップ能力や性格、適性、体力等の潜在的能力を客観的かつ科学的に数値化するためのテストで、1000点満点のテストとなっております。(各能力については100点満点)現在、簡易版を含め、MVAをご利用になられた方は50万人を超え、信頼性の高い人材評価プログラムとして、日本を代表するリーディングカンパニーを中心に高い評価を得ております。
MVAに関する説明はこちら
https://www.v-change.co.jp/mvajtest/
——————————————————————————-
今日のトピックは、
~苦悩を抱える若者を救うには~
——————————————————————————-
『メンタル不調、20代で2割、上司からの叱責がストレスに』
パーソル総合研究所の調査によると、過去3年以内にメンタルヘルスの不調を経験した20代は2割を超え、他の年代よりも高い割合を示した。若年層ほど他人の目や否定的評価を気にし、上司からの叱責をストレスだと感じやすい傾向がある。背景には、幼少期から対人対立の経験が少ないことやSNSの影響があると分析されている。
また、メンタル不調を職場に相談しなかった20代の約35%が退職しており、相談しなかった理由として「相談しても解決しないと思った」が最多だった。さらに、正規雇用者の約4割が「不調を知られると職場にいられなくなる」と感じており、20代ではその割合が特に多かった。これを受けて、研究員の金本麻里氏は、若手は否定的評価を避ける志向が強いため、叱責に頼らない成長支援が有効だと指摘している。
(日本経済新聞 2024年12月24日 電子版より抜粋・編集)
上記の記事から分かるように、近年メンタルヘルスの不調を抱える若年層の割合は増加しており、それに伴う離職率も増加傾向にあります。
皆様も「退職代行」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
退職代行とは、従業員が自分自身で退職手続きを行うのではなく、専門の業者に依頼して退職の手続きを代行してもらうことを指します。近年このサービスが流行しているのも、上記の記事と密接な関係があるからだと言えます。
では、若年層はどの程度ストレスを抱えているのでしょうか?
以下のグラフをご覧ください。

この図は、過去2003年~2025年の23年間にかけて、職位別にストレス度(30点満点)を定期的に集計し続けた結果です。
この図を見ると、やはり高位の役職と比べて、一般職に就く人はやや大きなストレスを抱えているようです。若者が多いことが大きな要因だと言えるでしょう。また、中間管理職に就く人は比較的ストレスの少ない環境下で業務を行っていることも読み取れます。
次に、こちらの図をご覧ください。

この図は、ストレス度とビジネス基礎能力の相関を表したものです。
ビジネス基礎能力とは、いわば人材の市場価値を総合的に可視化したものです。リーダーシップ、マネジメント能力等、ビジネスパーソンのベーススキル10個を基に、各能力100点の1000点満点で算出しています。
(以下の図を参照)

上記の図から、ストレスを抱えれば抱えるほど能力や生産性が低下し、自身の「市場価値」が下がってしまう傾向があるということが分かります。
このことから、現代の若者は多くのストレスを抱えている傾向があるため、必然的に生産性の低下やミスが引き起こされてしまっていると言えるでしょう。そして、それに伴う落胆や上司からの叱責を受けて、多くの若者が離職に至っていると弊社は考えます。
では、このような状況を緩和させるにはどうすればよいのでしょうか?
現代を生きる若者が多くのストレスを抱えているのは、もはや仕方がないことだと言えるでしょう。そのために、定期的にミーティングの場を設けたり、メンター制度を導入したりするといった、企業や上司側が措置を講じる必要があると弊社は考えます。
皆様も是非一度、若者の離職率が増加している現在、ストレス緩和と生産性向上を同時に促進することが出来る方法を考えてみませんか?
※データ標本数:14339名
※このデータは標本より一部を抽出したものです。あくまで参考値としてご覧ください。
(執筆者:小川)